初めてハワイに行ったお話。体験談Part4.(完結)
ある日の夕方、ホテルのおばさんが見慣れない若者を連れて突然部屋にやって来た。
「Mr.平田、この子に部屋を貸してあげたいんだけど、今ホテル満室なのよね。あなたの部屋、2ベッドルームでしょう?1部屋この子に貸してくれない?」
・・え?いきなり? まさかの飛び込みルームシェア提案。
(おいおい、君もホテル予約せずにこの常夏の島・ハワイに来ちゃったのか?)なんて、ちょっと上から目線の言葉が頭をよぎる。
「この子に1部屋貸して、部屋代を半分もらえばあなたも助かるでしょう?」
そりゃまあそうだけどさ・・。(ブツブツ)
知らない人と同居ってやっぱ気が引けるよね・・。(ブツブツ)
どんな人かもわからないし・・。(ブツブツ)
でもまあ、困ってるっぽいし仕方ないかと思い直して、OKすることにした。
(・・にしても、ハワイ来て1週間もしないうちに、いろいろドラマが起きるもんだな)
その後、彼との3日間の同居生活がスタート。
とはいえ、お互いに目的も趣味もバラバラで、行動は完全に別々。
なんとなくお金もなさそうな感じだったし(まあ自分も人のこと言えないけど)、結局部屋代ももらわなかった。
(・・っていうか、俺、ちょっとイイ人だったかも?笑)
ようやく英語のヒアリングにも耳が慣れてきて、少しずつ単語が聞き取れるようになってきた。
まあ自慢ってほどじゃないけど、実はハワイに行く1年くらい前から、毎週日曜日に厚木基地で働いてる米軍さんのお宅にお邪魔して、奥さんから英会話を教わってたんですよ。
「せめて日常会話くらいは分かるようにしておこうかな〜」と思ってね。(真面目か!^^)
結果として、ほんのちょっとは役に立ちました。ほんのちょっとね(笑)
・・そんな話はさておき。
南国・宮崎生まれの私は、とにかく日焼けすると真っ黒になる体質でして。
それは今でも変わりません。
当時は毎日海で波乗り三昧だったせいもあって、ハワイに着いて4〜5日もすると、地元の人たちにすら「お前日系人だよな」と間違えられるほど黒くなってました。
つまりですね、誰も私のことを日本人だと思ってくれない。
街を歩けば、当然のように英語で話しかけられるんですよ。しかもペラペラの(笑)
片言の英語でなんとか対応できるときは良かったんです。
でも、いよいよ何を言ってるのか全く分からない時は、最後の手段として「I am Japanese.」って言ってました。
(君の言ってること、さっぱり分からないんだよ〜!って心の中で絶叫しながら)
でもね、この「私は日本人です!」っていう自己申告が、逆に相手を困惑させてしまうんですよ。
たぶん見た目があまりにも“ロコ”(現地の人)っぽく焼けてたせいで、「え?ほんとに日本人…?」って怪訝そうな顔をされることも多々ありました。
とにかく毎朝、早起きして午前中はずーっと波乗り。午後はその日の気分で、行きたいところへフラッと出かける――そんな毎日をのんびり過ごしてました。
ホテルのおじさんとおばさんからの情報で、いろんな場所に格安で行けたのも大きかったですね。
まあ、正直お金のない旅だったので、夜は完全に自炊生活(笑)。
でもね、泊まってた「Lealea Hale(レアレア・ハレ)」には炊飯器もあるし、食器も鍋も一通り揃ってて、ほんとに助かった!
しかも、歩いてすぐのところに大きなスーパーがあったから、「これは自炊しよう」って自然に思えたんですよね。
あとね、この「Lealea Hale」って、何回か行ってるうちに分かってきたんだけど、けっこう長期で滞在してる常連さんたちがいて、いつの間にか仲良しネットワークができちゃってたんです。
“楽園の中の、もうひとつの楽園”って感じで、本当に心地よかったな〜。
(ここだけのとっておき情報もいろいろ交換できましたよ。旅行ガイドやパンフレットには載ってない、今の“旬”な生情報がたくさん!)
だから、最初からホテルを決めずに来たのは正解だったなって、今でも思ってます。
ただひとつ、ハワイでどうしても苦手だったのが、あの“ゆったりリズム”。
あれだけはどうも性に合わなかった(笑)。だからこそ、一人旅がちょうどよかったのかもしれませんね。
さて、長々と書いてきた「初めてのハワイ体験記」も、今回でいったん締めとさせていただきます。
14日間の滞在を終え、いよいよ帰国――のはずが・・最後の最後に“天罰”が下るのです。
話はちょっとさかのぼって、ハワイ出発の2日前。残業中、思い切って上司の西村さんにこう切り出しました。
「・・あのぉ〜、実は明後日から2週間、ハワイ行ってきます!(`・ω・´)ゞ」
一瞬、何を言ってるんだコイツ?って顔をされました(笑)。そりゃそうだ、この日が初報告ですから・・。
うちの会社の創業以来、私ほど非常識なヤツはいないでしょう!(断言)
「帰ったら、人の100倍、いや200倍、できれば1000倍働きますんで、どうか今回だけは目をつぶってください!」
と、深々と頭を下げて、なんとかしぶしぶ許可をいただいたわけです。
(もし許可されなかったとしても、たぶんハワイ行ってますけどね!(`・ω・´)ゞ)
そんな無茶な旅だったからでしょうか・・帰国のとき、ついに“天罰”が下りました。
ホノルル空港で「また来年、必ず戻ってくるからな・・!」と心の中で叫びつつ、飛行機に搭乗。
離陸してしばらく、コーヒーを飲みながらほっと一息――のはずが、ふと不安がよぎる。
「・・・待てよ? まさか・・・」
慌てて機内の手荷物バッグをゴソゴソ漁り始めます。
漁って、漁って、漁りまくる・・・
顔面蒼白、全身に寒気。
「メーデー!メーデー!メーデー!家の鍵をホテルに預けたまま飛行機に乗っちゃいましたーッ!!!」
って、叫んでも飛行機は引き返してくれません。とほほ・・・(´;ω;`)
そう、私はいつもお出かけの際、貴重品をホテルに預ける習慣がありまして。
帰国日は早朝で、ホテルのおじさんおばさんもまだ就寝中。
そして何より、前夜のうちに鍵を返してもらうのをすっかり忘れていたのです。
天罰です。完全に天罰が下ったのです。
そう、あの日、西村さんの逆鱗に触れてしまった、その“報い”がここで来たのです!(断言)
帰国して最初に向かったのは、アパートを管理している不動産屋さん。
ちょっと愛想の悪い(ボソッ)担当の方に、お土産のマカダミアナッツチョコレートを渡しつつ・・・
「すみません、実は部屋の鍵を常夏の島に置いてきちゃいまして・・合鍵、お借りできますか?」とお願い。
お土産が効いたのか(たぶん)、特に文句も言われず、無事に合鍵を受け取って部屋に入ることができました。
──で、ここからは余談です。
同じように合鍵を借りに行った、ある日。(またホテルに置いてきちゃったんです^^;)
「すみません、また鍵を・・・」と言いかけたところで、不動産屋さんが一言。
「平田さん、それ・・・2度目だよね?」と、なかなか怖い顔で言われました。
(そういうことだけはしっかり覚えてるんですね・・・)
そして、ついに3回目のときは・・・もう不動産屋さんに行けず。
“ロックセンター”なるところを呼ぶ羽目に。(ロックって言って、矢沢を呼んだんじゃねえぞ!)
鍵を開けてもらうのに、なんと18,000円!一瞬で吹っ飛びました…。
いやあ…若かりし頃の俺、学習能力ゼロでしたね(笑)。
さて、長々とお届けしてきた「初めてハワイに行ったお話」。これにてひとまず完結です。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!<m(__)m>
※最後の最後に。
ブログを書いていて、ふと思ったことがあります。
自分のこと、いつも「オレ!」って言ってるなぁ・・と。
もちろん、人との会話ではちゃんと「私は」と言ってますよ。
時には、ちょっとカワイ子ちゃんぶって(?)「僕は」なんて言うこともあるかもしれません(笑)。
文章の中で一人称があっちこっちしてると思われるかもしれませんが、どうかその場その場のノリということで、ご容赦くださいませ。