「TV番組がくれた衝撃と、未来への妄想。──ものづくり大国・日本をもう一度輝かせるために」
昨夜、何気なく見ていたTVニュース番組で、
私は思わず手を止めた。
“家賃ゼロの漫画家支援マンション”。
生活が苦しくても、創作を諦めてほしくない──
そんな思いから作られた施設だ。
その瞬間、胸の奥がズンと鳴った。
「これ、ものづくり全般でできないのか?」
そう思ったのだ。
■ 凡人には見えないものが見える人たち
私はこれまでの人生で、
いろいろな“天才肌”の技術者に出会ってきた。
・人との対話は苦手
・空気を読むのも苦手
・集団行動はもっと苦手
なのに、
頭の中で描く世界は我々の想像の斜め上。
しかも彼らは、
想像だにしないものを形にしてしまう。
普通の会社や社会の枠にハマらないだけで、
その才能が活かされずに埋もれていく。
これは、あまりにも惜しい。
■ 「作りたいものを作らせる」 それだけで才能は爆発する
ものづくりに必要なのは
立派な肩書きでも大企業でもなく、
“没頭できる環境” だ。
余計な口出しも、
無駄な管理も、
意味のない会議もいらない。
作りたいものを作らせる。
それだけでいい。
私は社長を退いて、会長になり、
今は大好きな“ものづくり”を思いっきりやっている。
安定はつまらない。
安定は創造を殺す。
だから私は抜け出した。
■ お金は“未来に託す”ために使うべきだ
番組を見ながら思った。
「お金のある企業は、金だけ出せばいい。口は出すな。」
未来は“管理者”ではなく、
“創造者”が作る。
大人は未来を守る側で、
未来を生み出すのは若者や特性のある天才たちだ。
企業の垣根を超えて
多様な才能が集まり、
楽しみながらものづくりに没頭できる場所──
そんな“遊び場”こそ、
日本が失ってしまった宝なんじゃないか。
■ 愉しい場所にこそ、未来の火種が生まれる
昨日も年末の挨拶で言った。
「愉しくなきゃダメなんですよ」
やってる本人が。
誰かに言われたから作るものは、
たいてい面白くない。
自分がワクワクするから
手が動くし、
夜中まで夢中になれる。(ワークライクバランス?はぁ‥)
そんな人間が集まった場所は
絶対に面白い。
絶対に何かが生まれる。
■ 未来は“遊び場”から始まる
TV番組の小さなきっかけが、
私の中で大きな妄想を生んだ。
“ものづくり大国・日本をもう一度輝かせる場所”
会社でも学校でもなく、
大人の事情も入らない、
創造だけが許された第三の場所。
そこにいるのは、
変わり者
不器用
天才肌
枠にハマらない人
常識が通じないクリエイター
独自の世界観を持つ技術者
そして、そこへ支援金を投じる企業たち。
金は出す。
口は出さない。
その自由こそ、
未来をつくる火種になる。
■ 昨夜のTV番組は、ただのニュースではなかった
それは、
“停滞した大人の背中を蹴った衝撃”
だったのかもしれない。
ものづくりの愉しさを愛する私としては、
この妄想がどこまで育つのか、
ちょっと楽しみにしている。
未来は、
意外とこういう瞬間から動き出す気がする。
