「スタートアップ町工場展」、充実したひと時でした。

昨日は有楽町で開催された「スタートアップ町工場展」へ行ってきた。
会場はまさに“町工場 × スタートアップ × 若き技術者たち”の坩堝(るつぼ)。
歩き始めた瞬間に、「今日は何かが起きるな…」という空気を感じた。


■ 1ブース目で、いきなり琴線に触れた企業

最初に足が止まったのが Brand Maker Enabler という会社。
ブースに置かれていたのは、12mm × 12mmという超小型の基板。

・BLEモジュール

・高精度カレンダーIC

・大容量フラッシュ

ボタン電池1個で10年動く(CR2032)

これを見て、思わずCEOに言った。

「玩具に最高ですね。これ…何か作れそう。」

CEOはニッと笑って名刺を差し出し、「気になります?」と。
いや、気になるに決まってるだろう(笑)。
拡張性のある基板は、モノづくりの自由を広げてくれる。

いい出会いだった。


■ AI×技術継承のスタートアップ「テクノリーブ」

次に心をつかまれたのが 株式会社テクノリーブ
コンセプトは明快。

“動画で技術を確実に継承する。”

町工場の技術者は、後継者がいなければ技術ごと消えてしまう。
特に大田区の町工場は宝の山だ。

私は担当の青年に、自分の未来図を語った。

町工場の連合体を新たな“街”として再生する

若手を育て、ベテランの技術を継承する

新しい設備に更新しながら共同体として未来に向かう

大企業の技術者が移る受け皿としても機能する

すると彼女は強くうなずきながら聞いてくれた。
こういう若者が動き出していることが、日本の未来そのものだ。


■ ワンちゃんの心拍・呼吸数を測る “HUGMORI”

そして印象に残ったのが、HUGMORI というIoTプロダクト。
作った青年は、イギリスの大学で研究し、そのまま製品化へ挑んでいる。

リーフレットは無かったので、許可を得て写真だけ撮らせてもらった。

木の器の中に心拍センサー。
優しさに満ちたデザイン。
明らかに“モノづくりの匂い”が似ていた。(同じ匂いがするを爺さんは若者に連発してやったぜ)

「クラファンで資金を集めようと思っていて…
アプリはまだ無いんですが…いずれお願いするかもです」

妙に気が合った。
こういう若者が本物の商品を作る日を見たい。


■ そして…「出たなぁ、デジタルハリウッド大学!」

今回もいました(笑)。
前回は教授だったが、今回は学生2名。

作品のレベルが非常に高い。彼らの世界観がとても良かったですね。
私は探している“最後の肝”──

福祉・支援系のデザインに本気で取り組める若いデザイナー
について話した。

すると学生たちがこう言った。

「うちの学校に、そういうことに興味ある子、いますよ」

来た。これだ。世界がまた動いた瞬間。

私は言った。

「じゃあ行くしかねえべ!」

前回の展示会で教授に大学に遊びに行ってよいか尋ねたら、「どうぞどうぞ!」だったが
今回も学生さんに遊びに行ってよいかと尋ねたら彼らは口を揃えて「どうぞどうぞ!」と(笑)。

この歓迎ぶりに「行くしかねえべ!」と心の中で叫んだ。

ここから最後のピースが埋まる気がする。教授あてにメールを差し上げて正式に了解を取らねば。


■デザイン&テクノロジーさんのブースを発見。

デジタルハリウッド大学の学生たちと熱く語り合い、
「こりゃ年明けに学校行くしかねぇべ!」というテンションのままブースを離れた──
そのすぐあとに立ち寄ったのが、デザイン&テクノロジーの小野田代表のブース。

この方、実に丁寧で誠実な仕事をする“本当に紹介できる企業”のひとつ。
数年前の天空橋の展示会で出会って以来、いろいろと仲良くさせてもらっている。

小野田さんとは今回も自然に雑談が始まり、
私の近況、今進めているプロジェクト、互いの最近の展示会事情……
そんな話をしながら、
「ほんと、この人たちの仕事は安心して任せられるよなぁ」と、
改めて感じさせられる時間だった。

展示会って、技術もモノも面白いけど、
“人”でつながる瞬間の方がずっと価値がある。
ここはそう思わせてくれる数少ない企業のひとつなのだ。

お金の匂いがプンプンする出展品にも前回の天空橋での展示会同様に感じました。ガンバっ!


■ 2階で見つけた “LOVOTの歴史展示”

2階は主に講演会場だったが、そこで運命の展示を見つけた。

あの LOVOT の歴史展示。

私はLOVOTが世に出る1年前──
2017年11月の ET & IoT Technology 展で、
完成前のLOVOTの“影”だけを見ていた一人だ。

当時、我々の目の前のブースに
“中身の見えない木製ブース”が急に現れ、
大型モニターで“何か楽しそうに作っている動画”
繰り返し3日間見せ続けていた。

あれが LOVOT の創成期だった。

今回の展示で一連の歴史を見て、胸が熱くなった。
職員さんに「私用で見るだけなので」とお願いし、記録として撮影も許可いただいた。

自宅で改めて映像を見ながら、

「自分はLOVOTが生まれる創世記、目の前にいたんだ…」

と、静かに感動した。


■ まとめ — “町工場 × 若者 × 未来技術” の交差点にいた一日

今回の展示会は、ただの見学ではなかった。

・新しい技術

・動き始めた若者たち

・日本の製造業の未来

・そしてLOVOT創成期との再会

この4つが一気に重なり、
自分の中で、また一つナニカが繋がった一日だった。

来年、大学訪問をきっかけに、
いよいよ“最後のピース”が動き始める。(かもしれない・・いやっ、きっと動く!)


”ものづくり”が大好きなお爺さんの旅は、来週12月16日(火)に東京ビッグサイトで開催される、「中小企業新ものづくり・新サービス展」へと続く。まだまだ、面白い出会いと物語は終わらない。

kimamana-jiyujin-1957

創業49期目、横浜のIT企業ハル・エンジニアリング株式会社、代表取締役会長の平田達彦です。2025年3月末まで社長、4月より会長となりました。ブログにて色々な情報を発信させて頂きます。「自由人として愉しむ」を基本に生きています。多くの人たちと絡んでいきたいと考えていますのでどうぞよろしくお願いいたします。愉しい人と人のネットワークの構築と愉しいものづくりを目指します。

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