追悼 落合信彦先生!

国際ジャーナリスト・落合信彦先生が亡くなられたと知りました。
心よりご冥福をお祈りいたします。

私は、先生の著書をほとんど読みました。
世界各国の諜報機関、国家の思惑、
そして人間が国家やシステムの中で
どのように扱われ、すり替えられ、消費されていくのか。
その描写は刺激的で、知的で、何より「考える余白」がありました。

その影響は、思いがけない形で私自身の人生にも現れます。
当時、ビッグコミックのY編集者から
「ゴルゴ13の原作を書いてみないか」と声をかけられました。

ご存じの通り、
ゴルゴ13は分業制で、
ストーリーは外部の原作者が複数人で担当する体制でした。
私もその一人として、原作を書く機会を得たのです。

その時、私の中に自然と浮かんできたのが、
落合信彦先生の作品世界でした。

アメリカの天才博士を誘拐する計画。
博士と瓜二つに整形したソ連人を用意し、
ソ連内にアメリカのある都市を丸ごと再現した環境で
生活習慣や思考まで“本物”に近づける。
そして本物と偽物を入れ替える――
国家ぐるみの、静かで冷酷な頭脳誘拐

その計画は成功し、
誘拐犯たちは船で領海外へ逃亡しようとします。
しかしその瞬間、ゴルゴ13が現れる。海のうねりで犯人たちはゴルゴの船の存在に気が付かない。
狙うのは黒幕でも博士でもない。
ライフルを構えたゴルゴはお互いの船が波の山と山に乗っかった瞬間を見逃さなかった。船を操縦する男の姿を見つけた瞬間、こめかみを一発で撃ち抜く。

操縦者を失った船は、
領海を越える寸前で円を描き、
再びアメリカ領海へ戻っていく――。

結果だけが静かに残る結末でした。

この原稿を読んだ
さいとう・たかを先生の一言は、
今でも忘れられません。

「SFちっくだな。ボツ。」

(笑)

ですが私は思います。
もし落合信彦先生の作品を読んでいなければ、
私はこの物語を書けなかった。
たとえボツであっても、
あの原稿は、確かに先生の思想の延長線上にありました。

現実を見つめすぎたがゆえに、
一歩だけ未来に踏み出してしまった物語。
それはゴルゴ13には早すぎたのかもしれません。
けれど、その後の私が
SF的な物語を書くようになったのは、
間違いなく先生の影響でした。

落合信彦先生。
あなたの作品は、
一人の読者の人生の中で、
確かに次の物語を生みました。

心より、感謝と追悼の意を込めて。そしてスーパードライ献杯

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創業49期目、横浜のIT企業ハル・エンジニアリング株式会社、代表取締役会長の平田達彦です。2025年3月末まで社長、4月より会長となりました。ブログにて色々な情報を発信させて頂きます。「自由人として愉しむ」を基本に生きています。多くの人たちと絡んでいきたいと考えていますのでどうぞよろしくお願いいたします。愉しい人と人のネットワークの構築と愉しいものづくりを目指します。

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