展示会で見たのは、製品ではなく“姿勢”だった

新川崎マッチング展2026に行ってきた。
正直に言えば、大きな商談や具体的なマッチングがあったわけではない。
しかし、0ではない。
今日は三つの風景を見た。
第一章 当事者が立ち上がるということ
〜 ASNARO 〜

株式会社丸菱製作所の「ASNARO」。
加工技術のフリマサイト。
一見すればマッチングプラットフォームだが、私が感じたのはそこではない。
受注で困った。
発注で困った。
繁忙と閑散の波に振り回された。
その当事者が、業界を良くしようと立ち上がった。
第三者が市場を作るのと、
当事者が仕組みを作るのとでは、雲泥の差がある。
前者はダメなら次へ行ける。
後者は、生き死にがかかっている。
だから覚悟が違う。
私は、業界全体を仲間と捉え、ともに生きていこうとする姿勢に共感した。
生きろ。
それが私の思いでもある。
第二章 未完成をさらけ出す勇気
〜 からくりプロダクツ 〜

両手を広げた熊のロボット。
抱き寄せると、抱き返してくる。
それだけの仕組みだ。
AIだ、クラウドだと盛らない。
しかし、裏には確かなロボット技術がある。
圧力検知、モーター制御、安全設計。
高度な技術を、高度に見せない。
そして何より、未完成であることを隠していなかった。
本体から電源ケーブルがむき出しだった。
普通なら隠すだろう。
だが、あえて出す。
弱点をさらけ出し、突っ込ませ、改善していく。
展示会を販売の場ではなく、育てる場にしている。
私はこういう姿勢が好きだ。
第三章 今ではない。未来の風景
〜 紙 × 電子 〜

印刷工程で電子部品を組み込める技術。
話を聞けば、現時点では小さなLEDレベルだという。
なるほど、今すぐICが自在に組み込めるわけではない。
しかし、見えたのは未来の方向だった。
紙がただの紙で終わらなくなる可能性。
電子と素材の境界が薄れていく世界。
今ではない。
だが、確実にその先へ向かっている。
私はこういう未来の匂いが好きだ。
今日の展示会で見たのは、製品そのものではない。
姿勢だった。
覚悟。
誠実さ。
そして未来を見る目。
静かな一日だったが、悪くない。
