ハルの新人研修

新入社員の研修については、会社ごとに様々な考え方があります。
マナー研修を重視する会社もあれば、技術研修を外部機関に委ねる会社もあります。

私自身の考えとしては、マナー研修を完全に否定するつもりはありません。ただ、それは本来企業の役割なのかと言われると少し違う気もしています。とはいえ完全に放置というわけにもいきませんので、ハルでは外部での1-2日程度のマナー研修には参加してもらっていました。

さて、技術研修についてですが、私がこだわってきたのは 外部に丸投げしないこと でした。

せっかくハルに入社したのに、いきなり見ず知らずの外部研修機関に送り出される。それでは少し寂しい気もします。新人にとっては「この会社で働く」という実感を持つ大切な時期でもあります。外部研修ばかりでは会社との距離が生まれ、帰属意識が薄れてしまう可能性もあると感じていました。(外部研修期間を否定する気持ちは毛頭ございません。)

私が入社するころから、ハルの新人研修は基本的に社内研修でした。先輩社員が先生役となり、社内で新人を育てていくというスタイルです。

ただ近年は、お客様の仕事をそっちのけで社員を長期間研修担当にすることが難しくなってきました。そこで知り合いの同業の方々や学校関係の先生方、さらには自分の足で外部講師を探し、4月から6月までの3か月間、ハルの会議室で集合教育を行っていただく形をとってきました。ここ10年弱ほどは、この形で新人研修を続けています。

研修内容についても、特定の言語へのこだわりは持っていません。研修が終われば、それぞれの部署に配属され、使われる言語も開発環境も様々です。企業文化によって開発スタイルも変わります。

ですから、その時に来ていただいた講師の方が得意とする言語で研修を行ってもらっていました。

私が常々言っていたことがあります。

「この新人研修で技術力が身に付くとは思っていません。」

少し乱暴に聞こえるかもしれませんが本音です。

新人研修の目的は別のところにあります。
ソフトウェア開発のプロセスを一通り体験しながら、この仕事を 楽しんでもらうこと です。

決して嫌いにならず、

「これからこの業界でやっていくぞ!」

そう思ってくれれば、それで十分だと考えていました。

研修の流れとしては、最初の1‐2か月で基礎技術研修を行い、3か月目にはグループに分かれて小さな開発プロジェクトを行ってもらいます。テーマは自分たちで考えます。

設計、製造、評価までソフトウェア開発の一連の流れを体験し、最終日には社内向けにプレゼンテーションを行います。

実際の仕事では、お客様の製品を作ることがほとんどで、自分たちが自由に考えたものづくりをする機会はそれほど多くありません。だからこそ新人のうちに、自分たちで考え、設計し、作り、発表する経験をしてもらう。将来「自分たちの作りたいものづくり」に挑戦する道筋の一つになればという思いもあります。

以前はマイコン評価ボードを使い、ハードウェア制御を含めた研修も行っていました。いかにもハルらしい新人研修だったと思います。ただ時代とともに研修向きの評価ボードが減り、それを教えられる講師を探すことも難しくなってきました。

その結果、最近はアプリケーション開発が主体の研修になっています。

それでも若い人たちの発想というのは実に面白いものです。ゲームを作るチームもあれば、自分や周りの人の役に立つツールを作るチームもあります。毎年ユニークな作品が生まれ、そのアイデアにはいつも感心させられていました。

新人研修の最後にはグループごとの成果発表があります。

以前は会議室で発表を行っていましたが、実際にはお客様の仕事で外出している社員も多く、なかなか全員が見ることは難しい状況でした。

最近は便利なもので、リモートでも参加できるようになりました。社員は自席から発表を見ることができますし、発表の様子を動画で撮影して、後から見られるような配慮もしていました。

私自身も出張と重なることもありましたが、リモートのおかげでかなりの回数を見ることができました。社長になる以前から見ていましたので、思えば長いお付き合いです。


最後に一つ付け加えておきます。

来年度(2026年4月入社の新入社員研修)からは、どうやら外部研修を取り入れるようです。私は私なりのこだわりで社内集合教育という形を続けてきましたが、時代とともにやり方も変わっていくのでしょう。

ハルにとっては創業から約50年。
初めての外部研修という新しいチャレンジになります。

もっとも、ハルにとって チャレンジは基本 です。
何事に対しても新しいことに挑戦する姿勢は大切にしたい。

ですから、この新しい取り組みに対しても
私は 応援するのみです。

来年度の新人研修が、新しく入ってくる若い技術者たちにとって良い経験となり、良い結果をもたらしてくれることを期待しています。

kimamana-jiyujin-1957

創業49期目、横浜のIT企業ハル・エンジニアリング株式会社、代表取締役会長の平田達彦です。2025年3月末まで社長、4月より会長となりました。ブログにて色々な情報を発信させて頂きます。「自由人として愉しむ」を基本に生きています。多くの人たちと絡んでいきたいと考えていますのでどうぞよろしくお願いいたします。愉しい人と人のネットワークの構築と愉しいものづくりを目指します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です