値上げの時代に、なぜあの弁当は安いのか。
平塚の西友に行ってきた。
トライアルに買収されてから、初めての訪問である。
目的は一つ。
話題になっている「激安弁当」の確認だ。
実際に売場で見て、そして購入し、食べてみた。
結論から言うと――
味も美味しい。ボリュームも問題ない。
正直なところ、ここが一番驚いた。
安いだけならよくある話だ。
しかし、安くて、量があって、しかもちゃんとしている。
なぜこれが成立するのか。
その答えは、
トライアルの仕組み × 西友のブランドにある。
西友には、これまで培ってきた惣菜・弁当のノウハウがある。
品質を落とすことは許されない。
一方でトライアルは、ITを駆使して
売場・在庫・価格・物流を最適化している。
つまり――
品質は西友、仕組みはトライアル。
そしてもう一つ、見逃せない点がある。
トライアルの創業時の姿は、
もともとIT企業である。
システム構築はお家芸。
内製で作り、現場で試し、すぐに改良する。
この“作って試せる力”があるからこそ、
今の仕組みが成立している。
単にITを導入しているのではない。
ITで小売そのものを作り直している。
さらに興味深いのは、その先の構造だ。
大型店舗を中心に据え、
その周囲に小規模店舗を展開する。
必要な商品は、中心から供給する。
すべての店で作る必要はない。
作る場所を絞り、届ける。
これにより、コストは下がり、スピードは上がる。
一見するとスーパーだが、
その実態は――
“食のネットワーク”である。
そしてもう一つ、重要な点がある。
現場で起きた「困りごと」は、
その場で終わらない。
寄り添ったスタッフの対応は、
次のシステム改善へと繋がっていく。
つまり――
一人のお客の体験が、全体の進化になる。
人が頑張るのではなく、
システムが人に寄り添う。
だから教育がいらない。
だから誰でも使える。
人は、本当に必要なときだけ動けばいい。
見守りが基本で、
困ったときに寄り添う。
この構造は、これから確実に広がっていくと感じた。
私は5年後、
大型店を中心に、小規模店が広がる姿を見ている。
それは単なる店舗展開ではない。
生活を支えるインフラとしての進化だ。
最後にもう一度。
あの弁当は、安かった。
そして、ちゃんとしていた。
その事実こそが、すべてを物語っている。
