説明のいらない世界
昔、気に入って長きにわたり保存していた漫画があった。
セリフはない。
それでも、実に愉快で、実に深い。
気がつけば、その世界に引き込まれている。
説明はない。
だが、伝わる。
そんな作品だった。
ふと、その主人公を自分に置き換えてみた。

AIに描いてもらっただけだ。
ただ、それだけ。
踊ってみた。
理由はない。
体が動いただけだ。
それでも、何かが伝わる。
見ている側が、勝手に感じる。
ここで、重要なことに気がついた。
そこには、
説明のいらない世界があった。
この何気ない数コマの、セリフのない主人公。
それを別のものに置き換えても、
受ける印象や感じ方は、きっと変わらない。
そう思った。
つまり――
今日の、懐かしい漫画との再会は、
私の目指す方向を、よりはっきりと示してくれたのだ。
説明しなくてもいい。
むしろ、説明しないほうがいい。
削ることで、残るものがある。
最近、そんなことを考えている。
言葉に頼らず、
状態や気配で伝える仕組み。
まだ名前は出さないが、
すでに形になり始めている。
そして、もうひとつ。
私が今進めているプロジェクトは、
まさしくそれだったのだと、改めて気づかされた。
説明のいらない世界。
それは、どこか遠くにあるものではない。
すでに、ここにある。
「分かるのではない。気づくのだ。」
