危機管理能力が高すぎると、こうなる。
ぽぽまるの散歩。
いつもの道、いつものリズム。
足元には、2年半前に沖縄で買った島ぞうり。
すっかり馴染んだ、相棒のような存在だ。
今日も、何も疑うことなく履いていた。
――その時だった。
「あれぇ~~~っ!?」
歩みがおかしい。
いや、おかしいどころではない。
一歩、踏み出すたびに違和感。
そして気づいた。
切れてる。
よりによって、散歩の道半ばで。
島ぞうりの緒が、見事に千切れていた。
歩けない。
このままでは、散歩続行は不可能。
だが横を見ると、ぽぽまる。
「何してるんですか?」と言わんばかりの顔で、
散歩続行を訴えている。
……なるほど。
ここで引き返すのは簡単だ。
だが、それでは散歩にならない。
私は考えた。 裸足で歩くのだけは嫌だ…何が落ちているか分からないからね。
藁はないか?
紐は落ちていないか?
丈夫な草でもいい――
そう思いながら、足を引きずって歩いていた。
その時だった。
奇跡が起きた。
落ちていたのだ。
切断された結束バンドが。
場所は、神社の境内近く。
……これはもう、そういうことだろう。
神様が私に、
私だけに、日頃の行いが良いからご褒美をくれたのだ。
「感謝!」
そう呟きながら、応急処置。



そして――
歩けた。
しかも、ほぼ健全なぞうり同然で。
ぽぽまるは満足そうに歩いている。
私はというと――
すれ違う人の視線が、
ほんの少しだけ増えた気がした。
いや。
判断は間違っていない。
これが、危機管理である。
