『ビル空調機の遠隔監視システム』ハルの開発の歴史を埋もれさせてはいけない。

ハル・エンジニアリング株式会社の“知られざる開発の歴史”
ハル・エンジニアリング株式会社がこれまでに手がけてきた開発の歴史──実はこれをしっかりと伝えることが、いま最も重要なことの一つだと私は考えています。
なぜなら、私たちが積み上げてきた実績の多くは、ネット検索では決して見つからない“アナログ管理”の世界にあるからです。
たとえば、今回改めて取り上げたいのが「ビル空調機の遠隔監視システム」。
これは、まさにハルがかつて手がけた代表的な開発案件のひとつですが、正直なところ私自身、その存在をあらためて思い出すまで忘れていました。
ところが、ある新聞記事を読んでいたときのこと──
思わず吹き出してしまいました。
不謹慎かもしれませんが、「こんなに大昔から、うちは“遠隔監視システム”なんてやっていたのか!」と。(いまだに遠隔監視システムは弊社のお得意中のお得意分野ですからね。)
当時は“IoT”なんて言葉もない時代。
でも私たちは、自前で設計し、配線し、プログラムを書き、現場に設置して動かしていた。今にして思えば、まさに“走り”でした。
このような、時代の先を(半歩)行っていたような地道な開発こそ、ハル・エンジニアリングの原点なのかもしれません。
さて、今回の記事が紙ベースでしか残されていないので、あえてこの場で記事の内容を丸ごと掲載されて頂きます。なお、記事に”年内にも商品化”と載っているが、その商品化したネタが残されていないのが残念でならないです。
以下、日本工業新聞 昭和62年(1987年)7月21日 火曜日の記事。
ハル・エンジニアリング
ビル空調機の遠隔監視システム
年内にも商品化
低価格武器に中小ユーザー開拓
システムハウスのハル・エンジニアリング(社長・水野和彦氏、本社・横浜市西区平沼一ノ三九ノ三☎045・324・1751)は電話回線を通じてビルの空調機の定期点検を行う「ビル空調機の遠隔監視システム」を年内をメドに商品化する計画だ。大手企業によるこうした監視システムは実用化されつつあるが、中堅メーカーが同分野に進出するのは珍しい。
ハル・エンジニアリングでは、空調機のファンモーター軸受けの損傷事前予測機能も含めた総合的な点検ができるシステムを目指しており、価格も中小の保守点検会社が導入しやすいように従来の技検を技術者が巡回することなく行うのを目的に、空調メンテナンス会社のシグマ空調(社長・遠藤重夫氏、本社・神奈川県大和市中央林間二ノ一三ノ一二、☎0462・74・4682)の協力を得て開発を進めているもので、すでに実験値のデータを集める最終的な詰めの段階に入っている。
このシステムはすでに装備されている空調機にもセンサーおよび通信インタフェースを設けるだけで遠隔監視ができることを目的にしている。
(注:この記事は1987年当時の新聞に掲載されたものです。なお、文中に登場する「シグマ空調株式会社」は現在は活動を終了しており、存在していない企業となっております。時代の移り変わりを感じながらご覧いただければと思います。)
最後に、新聞記事にもあるように、「このシステムは、すでに装備されている空調機にもセンサーと通信インタフェースを追加するだけで遠隔監視が出来ることを目的にしている」とあります。
この考え方こそが非常に重要であり、中小企業でも導入しやすいように配慮された、まさに現場目線のものづくりと言えるでしょう。
この発想を基本に据えながら、ハル・エンジニアリング株式会社は、今後もお客様のニーズに真摯に向き合い、柔軟かつ実用的な開発を続けてまいります。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。