【途中下車で謎が解けた日。そして技術者へ。】
今日は少し不思議で、少しドラマチックな一日だった。
前回、カード印刷の色が思い通りにいかなかったとき、
印刷会社の技術者の方が丁寧に説明してくれた。
ただ、その説明は “技術者の深さ” が前面に出ていて、
私のような年寄りには正直、理解が追いつかなかった。
「言葉は分かる。でも本質がつかめない。」
そんなモヤモヤが残ったまま、今日を迎えた。
同じことを繰り返してはいけないと思い、
念のため問い合わせを入れていたところ、
帰りの電車の中で突然電話が鳴った。
いつもの私なら
「電車で電話はご法度」
と無意識に切ってしまうのだが……
なぜか今日は切れなかった。
いや、むしろ直感が告げた。
「これは降りたほうが良い。」
次の駅に着いた瞬間、
反射的に途中下車して、ホームの片隅で電話に出た。
相手は前回の技術者ではなく、
テレアポ担当の女性の方だった。
技術者ほど深い専門用語は使わない。
けれど、彼女は私の立場を慮りながら、
ひとつひとつの言葉を選んで説明してくれた。
そして彼女の何気ない一言が、
前回の謎を一気に解き放った。
「あ、つまりこういう理由で色が変わっちゃうんです。」
その瞬間、
胸の中でバラバラだったピースが
“カチッ” と音を立ててつながった。
「うおおおおっ!
そういうことだったのか!!」
大船駅のホームで叫びそうになるほどの納得感。
長く引っかかっていた疑問が、
この一言で完全にほどけた。
専門家は知識を語る。
そして、それは尊敬すべきレベルで深い。
だが今日の彼女は、
“素人である私の目線” に寄り添ってくれた。
そのおかげで、今日無事に入稿できた。
思えば、途中下車したのも普段の自分ならありえない。
でも、あの日あの瞬間、降りたからこそ
この“ご褒美のような気づき”を受け取れた。
なんて日だ。(笑)
【そして技術者の方へ】
技術ご担当者様
前回は大変丁寧にご説明いただき、
心より感謝しております。
ただ、貴方の知識があまりに深く、
私のような老人の頭では理解が追いつかず、
本質がぼやけたままになってしまいました。
しかし、貴方の技術力と知識量には
本当に強い敬意を抱いております。
本日、お電話をくださったテレアポ担当の方が
素人寄りの視点で言葉を選んで説明してくださり、
その“たった一言”が、私の中の疑問を
見事に整理してくれました。
おかげさまで無事に入稿が完了し、
長らく引っかかっていた謎も完全に理解できました。
次回は、今回私が理解できた“私の言葉”で内容を整理し、
それを共有させていただいたうえで、
改めて貴方の専門的なご意見を伺えればと思います。
シニアの拙い頭ですが、
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
かしこ。
今日は——
偶然の途中下車が、
技術とデザインと人生をつなぐ
“大事な瞬間” になった。
ほんの小さな選択が、
思いがけない大きな答えを運んでくる。
そんな一日だった。
