何故私が経営者から一歩身を引くときに定款を変えたか?その理由は・・・。
来年、わが社HaL Engineeringは創立50周年を迎える。
私も会社とともに50年近く走ってきた。
その節目に、“経営者として第一線から少し身を引く”という判断をした。
そのタイミングで、私はあえて 定款を変える という決断をした。
実はこの変更には、とても深い理由がある。
■ 古びた定款と、HaLの本当の姿との差
会社を創業した当時の定款には、
その時代の空気がそのまま閉じ込められていた。
「コンピュータ業」
「システム開発」
「情報処理サービス」
もちろんこれらは今もHaLの大切な柱だ。
だが、50年の歴史を振り返ると、
HaLはそんな単純な枠に収まる会社ではなかった。
ソフト会社なのに町工場のお古の工具を買ってきたり、
壊れた機械を直しながら学んだり、
デザインや現物製作に飛び込んだり、
商品開発に手を出したり、
やりたいと思ったら動く文化があった。
言い換えれば、
「コンピュータ会社」ではなく、
“自由な技術集団=HaLイズム” がHaLの本質だった。
■ 私が定款を変えた理由
それは「原点回帰」そして「未来への挑戦」
これからのHaLが進むべき道は、
もうコンピュータだけじゃ説明しきれない。
今は、カードを作り、ケースを作り、
点字を触り、デザインし、工房を探し、
社会の課題に飛び込むような会社になっている。(私の個人的なものづくり活動‥(;´Д`))
その幅の広さは、
創業当時の定款では到底カバーできない。
だからこそ私は、
HaLがこれから飛び込む未来に合わせて、
会社の器(定款)を広げた。
・商品の企画・開発・デザイン・制作・販売
・不動産の売買・賃貸・管理
・各種モノづくり・サービスに附帯する業務
一気に「未来型の器」へアップデートした。
■ 私がバトンを渡す前にやりたかったこと
会社が次の50年へ歩むためには、
新しい船にふさわしい 広い航路図 が必要だ。
私の役目は、
次世代が自由に羽ばたける土台を整えることだった。
“コンピュータだけの会社”
という狭いラベルを剥がし、
HaL本来の姿である
High-technology & Liberal-mind(自由技術集団)
を定款として正式に認めさせた。
これこそが私の最後の仕事の一つだと思っている。
■ 最後に
HaLは「枠に収まらない会社」だ。
そしてその自由さが、これからの時代を生き抜く力になる。
私は一歩身を引く。
だが、HaLはここからまた走り出す。
未来への挑戦は、
いつだって 自由な心から始まる のだから。
