展示会は「成果」を取りに行く場所じゃない

今日は中小企業のものづくり系展示会に行ってきた。


正直に言うと、いわゆる「大収穫!」という感じではなかった。

金属加工、食品関連、既存の延長線。
どれも悪くはない。
でも、今の自分が探しているものとは、少し距離があった。

だから最初に浮かんだ言葉は
「極薄」
だった。

それでも展示会に行く理由

では、今日は無駄だったのか?
答えは NO だ。

今回の目的は二つあった。

ひとつは、
自分が本当に欲している“ものづくり”をしている企業に出会うこと。

もうひとつは、
生の会話で、勉強をさせて頂ける“先生”に出会うこと。

前者は「少しだけ」だったが、確かに出会えた。
後者に至っては、思いがけない形で、しっかりと勉強させてもらった。

AIという言葉があふれる展示会で

会場には「AI」という言葉が溢れていた。
時代だから仕方ないのかもしれない。

ただ、見ていて強く感じたのは、
AIそのものより、AIという“言葉”に食いついている空気だった。

AIエッジコンピュータに挑戦している企業もあった。
この規模の企業がそこに挑む姿勢は、素直に立派だと思う。

ただ同時に思った。

AIは、製品そのものではなく
結局“別腹”なんだなと。

主役はあくまで
・サイズ
・使われ方
・現場
・人の関与
その上に、AIが“調味料”として乗っている。

それが分かっている製品は、安心して見ていられる。

今日いちばんの先生は「タツノコプロの豚さん」だった

缶バッジのブースで、思わず二度見した。
56〜57mmの缶バッジ。
タツノコプロとのコラボだという。

「すごいですね!あの有名なタツノコプロとコラボだなんて‥」と言ったら、返ってきた言葉がこれ。

「いや、年間1000万くらい払ってますから(笑)」

あっ、そうか。
ライセンスって、ちゃんとした“ビジネス”なんだ。

敷居が高いと思い込んでいた世界が、
一瞬で現実の地面に降りてきた。

今さら何を言ってるんだ、と思う人もいるだろう。
でも今日は、頭で知っていたことが、腹に落ちた日だった。

この気づきをくれたのが、
タツノコプロの豚の缶バッジ一枚だったというのも、なんとも面白い。

展示会は「生の勉強会」

改めて思う。

自分が展示会に行く理由は、
製品を買うためでも、トレンドを追うためでもない。

生の会話で、こちらの思い込みを壊してくれる先生に会うためだ。

今日もまた、
「気付けよ、俺」
と心の中で何度もツッコミを入れた。(何を見て何を学んできたんだ?情けないぞ!俺っ!)

回り道だな、とも思う。
でも、その回り道があるから、今の違和感に気付ける。


結論

欲していた企業との出会いは「少し」
生の勉強会は「少々」

でも、それで十分だった。

今日は
答えを持ち帰った日ではなく、問いの精度が上がった日。

展示会は、そういう使い方でいい。

さて、次はどこで、どんな先生に出会うのだろう。

kimamana-jiyujin-1957

創業49期目、横浜のIT企業ハル・エンジニアリング株式会社、代表取締役会長の平田達彦です。2025年3月末まで社長、4月より会長となりました。ブログにて色々な情報を発信させて頂きます。「自由人として愉しむ」を基本に生きています。多くの人たちと絡んでいきたいと考えていますのでどうぞよろしくお願いいたします。愉しい人と人のネットワークの構築と愉しいものづくりを目指します。

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