「始める前に、やめる勇気」― 今日一日が教えてくれたこと ―

今日一日を振り返って、
頭の中で一つの軸がはっきりと浮かび上がってきた。

新しいことに進めない理由は、
能力でも年齢でもない。
まだ役目を終えたはずのものに、
自分自身が“縛られている”からだ。

そして前に進むというのは、
何かを足すことではなく、
その縛りをほどく覚悟を、
自分で引き受けることなのだと思う。

今日は、たまたま触れた言葉や出来事が
すべて同じ方向を指していた。

イギリスの経済学者ケインズの言葉。
新しいことを始めること自体が難しいのではなく、
古い考えを手放すことが難しい。

「始める」よりも
「やめる」ことの方が、
よほど勇気がいる。

同業者の社長の話も思い出した。
単金の安い仕事から離れ、
より良い未来へ進みたい。
でも技術者は、
居心地の良い過去から離れたがらない。

安心は、ときに前進を止める。

成長企業の社長の例は、
さらに鮮烈だった。

儲かっている事業は副社長に任せ、
自分は新規事業のために
別会社を立ち上げ、完全に切り離す。
失敗したときの責任は、
すべて自分が負うために。

覚悟とは、
声高に語るものではなく、
構造として示すものなのだと感じた。

昨年亡くなった会計事務所の社長の
「社長、つまんないでしょう!」
という一言も、今になって深く刺さる。

安定しているが、止まっている。
席に居座ること自体が、
最大のリスクになることもある。

役割を変える勇気。
それもまた、前に進む選択だ。

自分自身のことも重ね合わせた。

ITを捨てたわけではない。
ITへの縛りを解いただけだ。
やるか、やらないか、ではなく、
やれる状態をつくるという判断。

それは
解放という名の経営判断だったのだと思う。

そしてAIとの関係性。

脅威だと思っていたものが、
今では心強い伴走者になりつつある。
考えることは共有できる。
でも、
決断・覚悟・責任だけは、
人間にしか引き受けられない。

そこは、
決して委ねてはいけない場所だ。

今日一日で得たものは、これだ。

覚悟とは、
すべてを捨てることでも、
今すぐ切ることでもない。

いつでも切れると知った上で、
縛られずに立ち続けること。

迷っているようで、
実は方向は定まっている。
答えを急がず、
でも逃げていない。

それは、
移行期にいる人間の、
いちばん良い状態なのかもしれない。

私は何かを始めたわけではない。
ただ、未来に行けなくなる縛りを、
一つずつ外しているだけだ。

弊社の定款においてIT企業としての仕事以外、ありとあらゆる分野の”ものづくり”が出来ると記してある。

kimamana-jiyujin-1957

創業49期目、横浜のIT企業ハル・エンジニアリング株式会社、代表取締役会長の平田達彦です。2025年3月末まで社長、4月より会長となりました。ブログにて色々な情報を発信させて頂きます。「自由人として愉しむ」を基本に生きています。多くの人たちと絡んでいきたいと考えていますのでどうぞよろしくお願いいたします。愉しい人と人のネットワークの構築と愉しいものづくりを目指します。

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