ハルの歴史を語る朝に・・・。

私は夢を見た。

西鹿児島駅に降り立った創業者・水野和彦が、
重そうなキャリーカートに荷物を載せ、
笑顔なのか、覚悟の表情なのか分からない顔で、
そこに立っていた。(しゃがんでいた)

「お〜い、平田君!」

そんな声が聞こえた気がした。

写真の横には、手書きでこう書いてある。
「荷物 一式17kg」

はいはい。
慶應大学の器械体操部出身、筋肉隆々のあなたなら、
それくらい軽いものでしょう。
小指で担げますね。

――当時なら、
きっとこんな会話が普通に成立していたはずだ。

もう一枚、写真があった。
まさに「鹿児島に到着したぞぉー!」という一枚だ。
西鹿児島駅を背に、
これから始まる仕事のことだけを考えて、
彼は立っている。(今度は確実に立っている)

水野は、我が社の自社製品を実際に使っていただいている
ユーザー向けの説明会を開催するため、
東京、神奈川、群馬、宮城、石川、大阪、広島、鹿児島、福岡、岩手、北海道――
全国を飛び回っていた。

ただ作って終わり、ではない。
ユーザーが、その機能をきちんと使えるようになること。
そのために現地へ行き、自分の言葉で説明し、
納得するまで向き合う。
それが当たり前だと思っていた。

我が社の当時の主力製品。
私は勝手に「アダムスファミリー」と呼んでいる。
どこかで聞いたようなフレーズだが(笑)。
……おいおい平田、勝手に命名するな、と
水野さんに怒られそうだ。

左から、AC-50、ADAMS2000、AC-500。
これらは単なる製品群ではない。
現場で使われ、説明され、全国を旅した、
ハル・エンジニアリングの“家族”だった。

装置の細かな話は、今日はしない。
今日は、この数枚の写真が
水野から私に何を伝えているのか、
私自身が何を感じたのかを語りたい。

まず私が感じたのは、
ハルは常にチャレンジャーでなければならない、ということだ。

チャレンジ精神を持て、という話ではない。
実際にチャレンジし続けなければならないということだ。

だからこそ、
大手企業のものづくりに参画しながら、
同時に自社のものづくりを続ける。
それを、やめずに続ける。

ものづくりは、作りっぱなしではいけない。
使っていただくお客様がいる以上、
相手が納得するまで説明する義務がある。

今は良い時代になり、
ネットを使えば多くのことができる。
だが、時代が変わっても姿勢は変わらない。

きちんとお客様が納得できるようにすること。
それが、ものづくりをする者の基本なのだと、
水野の姿から教えられた気がする。

「おい、平田君!」

水野は自分のことを、いつも「僕は」と言っていた。
その水野が、こんなことを言った気がした。

「僕は、君の今の年には、この世にいない。
道半ばで旅立ってしまった。
もし、君の枕元に
西鹿児島に降り立った僕の姿が立っていたら、
ぜひとも、ハルのアルバムを探してほしい……」

それが、伝言だった。

だから今朝、出社して、
会社にあるアルバムの中から水野を探した。

あった。
これが、そのアルバムだ。

たかだか数枚の写真だ。
だが、その写真の中に、
水野から私へのメッセージが、確かにあった。

「平田君。
君、意外とフットワークが悪いな……。
年だから、という言い訳は
僕には通用しないよ。

もっと、もっとチャレンジャーとして動き回って、
僕を唸らせてみろよ……」

どうやら私は、
まだ水野に合格をもらえていないらしい。

そりゃそうだ、作った製品を買って頂いた皆様の元へ全国飛び回って馳せ参じ、懇切丁寧に説明している姿を見せられちゃね…。

強いメッセージ性を持った写真に感謝!


追記。思い出話。

水野が私に放った言葉で、
今でも特に思い出深いものがある。

尖がりまくっていた私が、
年を重ねて
「まぁ〜るくなったな」
自分で思った時のことだ。

「社長、自分、丸くなったと思いませんか?」

そう聞くと、水野は間髪入れずに言った。

「いや、丸くはなっていない。
角が取れた程度だ。」

……上手いこと言うな。
思わず、
『座布団10枚!』
と叫んでしまった。

さてさて、本日もチャレンジャーとして行動します。
水野さんに唸ってもらうために。(久保山に向かって一礼!<m(__)m>)


追記の追記:明日あるものがアマゾンから到着したら?私も皆様にお見せする旅に出ます。(意味深)

もう昔のハルを語り後世に残せるのは私しかいない…出来るだけこの場に残しておこう。

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創業49期目、横浜のIT企業ハル・エンジニアリング株式会社、代表取締役会長の平田達彦です。2025年3月末まで社長、4月より会長となりました。ブログにて色々な情報を発信させて頂きます。「自由人として愉しむ」を基本に生きています。多くの人たちと絡んでいきたいと考えていますのでどうぞよろしくお願いいたします。愉しい人と人のネットワークの構築と愉しいものづくりを目指します。

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