男性陣の長い夜
我が家には年に一度の恒例行事があります。
妻と娘による「女性二人旅」です。
楽しそうに出発する二人を見送り、自宅には私と息子、そして愛犬ぽぽまるだけが残されます。
そう、男性陣だけの生活が3泊4日ほど続くのです。
最初の夜。
「やっと落ち着いたな・・・」

コーヒーを飲みながら息子と他愛もない話をし、ぽぽまるも一緒にのんびり過ごしていました。
夜も更け、それぞれ就寝。
私はぽぽまると同じベッドで眠りにつきました。
穏やかな夜でした。
・・・少なくとも、その時までは。
深夜。

突然、
「ウウ~~~ン!!」
という大きなサイレンのような音で目を覚ましました。
「え?!サイレン?!」
眠気眼のまま耳を澄ます。
ウウ~~~ン!!
ウウ~~~ン!!
止まらない。
私は思いました。
「山間部で大雨でも降ってダムの放流が始まったのか?」
しかし、よく考えると変です。
どれだけ放流するつもりなんだ。
サイレンが鳴り続ける。


私は慌ててベッドを飛び出し、階段を駆け下りました。
そして玄関の電気を付けた瞬間・・・。
そこには、ぽぽまるがいました。
天を仰ぎながら。
悲しそうな顔で。
サイレンのような遠吠えを響かせながら。
「あ~~~ん!!」
その瞬間、全てを理解しました。
そうか。
ママがいないのが寂しいのか・・・。
日頃から散歩もしている。
ご飯もあげている。
おやつだって買っている。
気が付けば10年近く可愛がっている。
なのに。
なのに、である。
ぽぽまるの頭の中は、
「ママどこーーー!!」
でいっぱいなのだ。
私もいる。
息子もいる。
しかし彼にとっては関係ない。
男性陣など戦力外なのである。
仕方がないので特別なおやつを与えたり、なだめたり、抱っこしたりして機嫌を取る。
これも毎年恒例だ。

やがて疲れ果てたぽぽまるは私と息子の間に入り込み、ようやく眠りにつく。
そして私は思う。
これだけ尽くしているのに・・・。
なぜ我々はいつも二番手、三番手なのだろう。
悔しいです!!
まあ、来年も同じことが起きるのでしょうけどね(笑)。
