『沖縄旅行・番外編。初日早々、「湘南スタイル」が「沖縄スタイル」に飲み込まれた!(笑)』
今回の沖縄家族旅行。
実は旅立ちの時から、父と息子には密かなこだわりがありました。
名付けて、
「湘南スタイル」
葉山げんべえのギョサンに、地元の靴下屋で購入した同色の五本指ソックスを合わせる。
息子は赤。
私は黄色。

これでも無い頭を使って考え、生み出した父と息子独自の湘南スタイルであります。
我ながら、なかなかいい。
これで沖縄へ乗り込むぞ!
少なくとも我々親子は、そう思っておりました。
ところが――。
意外なところから猛烈な反対意見が飛んできました。
身内です。
娘です。
「ださっ!」
「恥ずかしい!」
「早く靴下脱いで素足になって!」
……。
何を言っておる。
そうはいかない。
こちとら、この日のために無い頭を使って考えた湘南スタイルである。
娘ごときの一言で簡単に崩すわけにはいきません。
早朝の羽田空港を、このスタイルで堂々と闊歩。
そして沖縄へ上陸。
最初の訪問先である首里城でも、父と息子は湘南スタイルを貫きました。
これが湘南じゃ!
……と、心の中では思っていたのであります。
ところが時間の経過とともに、娘の視線がどんどん厳しくなっていく。
気のせいでしょうか。
そのうち視線から、殺意さえ感じるようになってきました。(笑)
そして初日のランチ。
国際通りの第一牧志公設市場。
ついに我々親子は屈しました。
五本指ソックスを脱ぐ。
そしてギョサンを素足で履く。
ここに――
「湘南スタイル」、崩壊。
沖縄上陸初日の出来事でありました。
しかし。
本当の悲劇は、ここから始まったのです。
強靱なアスリートたちが履いてもびくともしないであろう、葉山げんべえのギョサン。
今度はそのギョサンが、素足になった我々親子の足へ襲いかかってきたのであります。
日頃、湘南茅ヶ崎発のビーチサンダル専門店「GOOD IS GOOD」のギョサンで軟弱に慣らされていた我々の足。
歩く。
擦れる。
また歩く。
また擦れる。
そして――。
お皮、剥け剥け。
父、崩壊。
息子も、崩壊。
沖縄の美しい海を前にして、我々親子の足だけが、みるみる悲惨な状態になっていく。(笑)
ここで私は思ったのであります。
待てよ。
そもそも五本指ソックスを履いたままだったら、こんなことにはならなかったんじゃないの?
娘の、
「ださっ!」
「恥ずかしい!」
という言葉に屈することなく、湘南スタイルを最後まで貫いていれば、我々親子の足は守られていたはずなのです。
しかし、私にも意地があります。
何しろ私は、一年のほとんどをギョサンやビーサンで貫いてきた男。
今さら多少お皮が剥け剥けになったくらいで、
「痛いよぉ~」
などと言っている場合ではありません。
ギョサン履きとしてのプライドがあります。
しかも、ここは沖縄。
目の前には美しい海がある。
ならば――。
サンゴのエキスをたっぷり含んだ沖縄の海水で消毒すれば、こんなものへっちゃらじゃ!
……という、医学的根拠がどこにも見当たらない独自理論で乗り切ろうとしておりました。(笑)
ところが。
そんな年老いた父親の身体を気遣ってくれたのでしょうか。
心優しい息子が、ホテル近くのローソンでビーサンを買ってきてくれました。
沖縄流では「島ぞうり」とも呼ぶ。
しかも――。
ORION BEER柄。
沖縄へ来れば猫も杓子もORION BEER。
ついに私の足元にまで、ORION BEERがやってまいりました。(笑)
さて。
ここで私はどうする?
「俺は湘南の男じゃ! ギョサンで行く!」
そう言って突っぱねることもできました。
しかし、せっかく息子が買ってきてくれたビーサンです。
その優しさを無下にすることなど、父親としてできるはずがありません。
私は何も言わず――。
そっと、
私と息子のギョサンを袋の中へしまいました。
そしてORION BEER柄のビーサンに足を通す。
…………。
何事もなかったかのように。(笑)
こうして、葉山げんべえのギョサン+同色五本指ソックスという、父と息子が満を持して沖縄へ持ち込んだ「湘南スタイル」は、初日早々に崩壊。
以後、私はORION BEER柄のビーサンを履き、何食わぬ顔で沖縄を闊歩したのであります。
湘南から意気揚々と乗り込んだ男。
沖縄に敗れ、
沖縄に染まる。
これぞ――
「沖縄スタイル」
なのであります。
今回の沖縄旅行で、私は一つ大切なことを学びました。
信念を貫くことは大切です。
人から何と言われようとも、自分が正しいと思った道を歩き続ける。
それも大切です。
しかし――。
それ以上に大切なことがあります。
お皮は大切にしましょう。
以上。
沖縄旅行・番外編でございました。
<m(__)m>

