テーマパーク運営ド素人の爺さんが、勝手にジャングリアの未来を妄想する。

今、沖縄の「ジャングリア」が何かと話題になっている。

ネットを開けば、

「大赤字だ」
「失敗だ」
「銀行は貸した金を回収できるのか」
「森岡さんも終わった」

まあ、出るわ出るわ。

ネットの世界というものは、好意的な話より否定的な話の方が圧倒的に拾われやすい。

もちろん私はテーマパーク経営の専門家でもなければ、マーケティングの専門家でもない。

ただの爺さんである。

だから今日は、専門家の分析ではなく、

「もし私だったら、こんなジャングリアに行ってみたい」

という、ド素人の爺さんの戯言を書いてみようと思う。

沖縄旅行の一日を使うということ

沖縄は観光地として強い。

海がある。
島がある。
美味しいものがある。
美ら海水族館もある。
鍾乳洞もある。
何もしないで海を眺めているだけでもいい。

つまりジャングリアのライバルは、他のテーマパークだけではない。

「沖縄で過ごす一日そのもの」

だと思う。

しかも那覇空港からジャングリアまでは近くない。

そこまで行って、アトラクションに乗るために長時間並ぶ。

私は並ぶことが大嫌いである。

時間を無駄にすることが、もっと嫌いである。

だから、

「60分待ちです」

と言われた瞬間、

「じゃ、いいです」

となるタイプの人間だ。

でも、鍾乳洞なら歩ける

前回の沖縄旅行でも、今回の沖縄旅行でも鍾乳洞へ行った。

考えてみれば、鍾乳洞なんて歩いているだけである。

乗り物があるわけでもない。

それでも愉しい。

なぜか?

歩いている時間そのものが体験だからだ。

神秘的な世界を眺めながら歩く。

次に何が現れるのか分からない。

だから「歩かされている」と感じない。

だったらテーマパークの待ち時間だって、そうできないだろうか。

「待ち時間」をなくす必要はない

新しいアトラクションを造って処理能力を上げる。

もちろん、それも一つの方法だろう。

しかし、新しい施設を造るには莫大なお金と時間がかかる。

今のジャングリアに必要なのは、本当にそれだけだろうか。

私なら、

「待ち時間をなくす」のではなく、「待っていると感じる時間をなくす」

ことを考える。

恐竜のアトラクションへ向かう途中。

ただ柵の中を蛇行して並ぶのではなく、そこをジャングルの世界にしてしまう。

何かの足跡がある。

遠くから妙な鳴き声がする。

木が突然揺れる。

「今、何かいたぞ!」

子供が見つける。

親も見る。

その瞬間、そこはもう待機列ではない。

体験の中なのである。

つまんなそうにしている来場者は、全員標的だ!

そして、ここからが爺さんの妄想である。

園内で、

「さて、次どこ行こうか?」

とスマホを見ながら暇そうにしている家族がいる。

スタッフ発見!

標的である。

スタッフが近づいてくる。

「ちょっと皆さん、ここにいちゃまずいですよ」

「え?」

「さっき、この辺で見たことのない恐竜が目撃されたんです」

「ええっ?」

「私、今から確認に行くんですけど……一緒に来ます?」

気がつけば家族全員、恐竜捜索隊である。

(笑)

森を歩く。

足跡を発見する。

鳴き声がする。

沖縄らしい洞窟のような場所へ誘導される。

すると、そこには別のスタッフ。

「おい! そっちへ行っちゃダメだ!」

何じゃ何じゃ!

気がつけば、ジャングリアの物語の中に完全に入り込んでいる。

「今日だけの秘密」を教えてくれる

そして体験の途中、スタッフ同士が何やらひそひそ話をしている。

「おい、聞いたか? 今日、あっちのアトラクション、15時過ぎが狙い目らしいぞ」

「シーッ! 大きな声で言うなよ」

聞いてしまった家族。

「え? そうなの?」

スタッフ。

「あ……聞いちゃいました?」

そして小声で、

「じゃあ内緒ですよ」

これだけでいい。

単なる待ち時間情報が、

自分たちだけが手に入れた秘密情報

に変わる。

もちろん確実に乗れるなどと約束する必要はない。

その日の状況を見ながら、ちょっと役立つ情報を教えてあげればいい。

スマホで検索するより、よほど記憶に残る。

疲れ果てた爺さんを発見したら?

ベンチで完全に燃え尽きている爺さんがいる。

これも標的である。

スタッフが近づく。

「……かなりやられましたね」

「もう限界です」

「実はですね。この先に人間を復活させる秘密の場所があるんですよ」

そしてスパへ誘導。

(笑)

これだって立派な体験である。

昔、ETに名前を呼ばれた

ずいぶん昔、ロサンゼルスのユニバーサル・スタジオへ行った。

ETのアトラクションに入る前、スタッフに名前を聞かれた。

何に使うんだ?

と思いながら答えた。

するとアトラクションの最後の方だったと思う。

ETが私の名前を呼んだ。

感動した。

何十年も前の話なのに、私は今でも覚えている。

巨大な装置ではない。

ほんの何気ない仕掛けだった。

でも、

「自分に起きた出来事」

になった瞬間、記憶に残ったのである。

そういえば刀さん、もう持ってるじゃないか

ここで思った。

刀さんは「イマーシブ・フォート東京」をやっていたではないか。

客を観客にするのではなく、物語の当事者にしてしまう。

そのノウハウを持っている。

ならば、その資産をジャングリアで使わない手はないのではないか?

もちろんイマーシブ・フォート東京を、そのまま沖縄へ持ってくる必要などない。

ジャングリアには、すでに森がある。

恐竜がいる。

スパがある。

そして何より、

スタッフと来場者がいる。

だったら、その世界全体に「イマーシブ」を振りかければいい。

スタッフ全員が「仕掛け人」

ここが一番重要だと思う。

スタッフを単なる案内係、誘導係にしない。

全員が体験の仕掛け人。

だからといって、

「一日10回、お客様を巻き込みなさい」

なんてマニュアルにしたら駄目である。

客を見る。

表情を見る。

歩き方を見る。

子供の様子を見る。

スマホをぼーっと眺めている。

家族で次に何をするか迷っている。

暇そうだ。

つまらなそうだ。

そしてスタッフが思う。

今だ!

そこで仕掛ける。

逆に静かに休みたい人なら、そっとしておけばいい。

必要なのは演技力だけではない。

観察力だ。

スタッフ自身も愉しめばいい

これなら、働いている人だって愉しいと思う。

毎日、

「最後尾はこちらです」
「こちらへお進みください」
「ただいま60分待ちです」

だけではない。

「あの家族、暇してるぞ」

「よし、今日は恐竜捜索隊に巻き込んでやろう」

「あそこで俺が仕掛けるから、洞窟のところでお前が拾ってくれ」

スタッフ同士まで愉しくなる。

お客さんを愉しませるのではない。

スタッフも一緒になって愉しむ。

私はテーマパークという場所なら、そんな働き方があってもいいと思う。

そして成功例も失敗例も、全部共有する

「あの家族にこんなことをやったら、ものすごくウケた」

「昨日やってみたけど、これは駄目だった」

「子供にはこの仕掛けが効いた」

「外国人の家族には、言葉を使わなくてもこれで伝わった」

全部、スタッフで共有する。

すると、一人のスタッフの思いつきが、次の日には別のスタッフによって改良される。

また試す。

また客を見る。

また変える。

そうやって蓄積されていくものは、単なる接客マニュアルではない。

「人を愉しませる知恵」

という、とてつもなく大きな会社の財産になる。

苦しい今だからこそ、お客さんの声を拾う

そして今、ジャングリアが苦しい時期なのだとすれば、私はむしろ今こそ一人でも多くのお客さんに来てもらった方がいいと思う。

売上だけではない。

来てもらえば、

「ここが愉しかった」

「ここは退屈だった」

「ここで疲れた」

「こんなのがあったらいい」

という声が拾える。

それは後になって、お金では買えない財産になる。

だから私は、休園日を設けるという話を聞いたとき、

「うーん……」

と思った。

旅行者には旅行者のスケジュールがある。

「ジャングリアへ行ってみたい」

と思って沖縄旅行を組んでも、その日が休園日なら行けない。

その人の入場料を失うだけではない。

その人から得られたはずの声まで失う。

もちろん休園には運営上さまざまな事情があるだろう。

そこはド素人の爺さんには分からない。

ただ、苦しい時期だからこそ、

もっともっとお客さんと接した方がいいのではないか

と私は思う。

新しいアトラクションではなく、新しい「思い出」を作る

私は、ジャングリアが次々と巨大なアトラクションを増やしていく必要はないと思う。

それより、

仕掛けを増やす。
体験を増やす。
物語を増やす。

昨日まで何もなかった森で、今日は何かが起きる。

同じジャングリアなのに、行くたびに違う。

同じ日に来た家族でも、それぞれ違う出来事に巻き込まれる。

そして沖縄旅行から帰って数年後。

家族で写真を見ながら、

「あの乗り物、乗ったよね」

ではなく、

「あの時さ、ジャングリアで俺たち突然、恐竜捜索隊にされたよな!」

と笑う。

私は、そんなテーマパークなら行ってみたい。

ド素人の爺さんの戯言です

世間では、

「ジャングリアは失敗だ」

という声もある。

私は経営数字の専門家ではないから、それが正しいのか間違っているのかを論じるつもりもない。

ただ一つ思う。

せっかく、あれだけのものを沖縄に作ったのだ。

そして刀さんには、イマーシブ・フォート東京で培った経験もある。

だったら、

新しいアトラクションを造ることだけが起死回生ではない。

今ある場所。

今いるスタッフ。

今来てくれているお客さん。

そして、これまでに培ったノウハウ。

それらを組み合わせて、

「ジャングリアへ行った」ではなく、
「ジャングリアで、こんなことがあった!」

という忘れられない体験を、一人でも多くの人に持ち帰ってもらう。

そんなジャングリアになったら面白い。

以上。

テーマパーク運営などやったこともない、

ド素人の爺さんの、勝手な戯言でございました。

森岡さん。

採用しなくて結構です。

でも――

刀さん、もう材料は持ってるんじゃない?(笑)

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創業50期目、横浜のIT企業ハル・エンジニアリング株式会社、代表取締役会長の平田達彦です。2026年年1月21日付けで、同業IT企業システム二コル株式会社の社外取締役に就任いたしました。ブログにて色々な情報を発信させて頂きます。「自由人として愉しむ」を基本に生きています。多くの人たちと絡んでいきたいと考えていますのでどうぞよろしくお願いいたします。愉しい人と人のネットワークの構築と愉しいものづくりを目指します。 ※ちなみに私のお渡しする名刺の裏側には怪しい鳥が羽ばたくイラストが描いてあります。それは会長ならぬ怪鳥を表しています。日々怪しく飛び回る鳥の如くなのです。(笑)

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