視野を広げに行ったら、視界が狭くなった。大田区の町工場展示会と、さよならベイマックス!

11月5日。今日は京急蒲田駅前の大田区産業プラザPiOで開催された展示会へ行ってきました。

今回の会場は便利です。以前訪れた天空橋や有楽町とは違い、京急蒲田駅のすぐ近く。

もっとも、便利だからといって何でもかんでも見て回るわけではありません。

人気のあるブースには人が集まります。興味があるものも当然あります。

しかし、混んでいる。

よし、スルーじゃ!(笑)

並ぶのが苦手な爺さんですからね。見聞きしたい気持ちはあっても、混雑したところに無理して入り込むつもりはありません。

それでも、今回の展示会では実に多くの発見がありました。

出たな、デジハリ! ロボットがつないだ再会

最初にご紹介するのは、HuRoC。

「ロボットと人がいっしょに暮らす街を、大田区から」

これからの社会でロボットが重要になることは間違いないでしょう。ならば、今のうちに関わりを持っておきたい。

そんな思いでブースに立ち寄り、大溝さんという方とお話ししていました。

すると、話の途中で見覚えのある人物が登場。

出たな、デジハリ! 星野先生!(笑)

以前、天空橋の展示会で知り合ったデジタルハリウッド大学の先生です。そのときには、3Dモデリングソフト「OpenSCAD」の使い方まで教えていただきました。

先生も私を覚えていて、

「横浜でしたよね?」

大正解!

こういう再会があるから、展示会巡りはやめられません。

星野先生はセミナーの時間になって移動されましたが、大溝さんとも名刺交換。

ロボットの世界との新しい接点ができました。

人間の舌から、犬、猫、馬、そして豚へ!

続いて興味を持ったのが、株式会社パルセックの体質判定アプリ。

元キヤノンの方が立ち上げた会社で、丸山さんというCEO兼CTOからお話を伺いました。

舌の状態を画像から解析し、体質や健康状態を把握する手掛かりにするという技術です。

これが人間だけでなく、犬にも応用されているという。

だったら、猫は? 馬は? 豚は?

質問がどんどん広がります。

共通する要素があり、さまざまな動物への応用が考えられるとのこと。

なぜ豚まで聞いたのか。

実は知り合いが、助成金を受けて養豚場の豚の健康管理・生育管理に取り組んでいるのです。

ならば、こんな技術があるよ、と話題を提供できるかもしれません。

もちろん、動物ごとの実用性は検証が必要でしょう。

でも、新しい技術と既存の知り合いの仕事が結びつく可能性がある。

これが面白い。

丸山さんとも名刺交換させていただきました。

焼酎は飲むだけじゃない! 捨てるものなし!

会場には、なぜか我がふるさと宮崎の企業も数社出展していました。

その中で立ち寄ったのが、日南バイオリソイルのブース。

焼酎に釣られたわけではありませんぞ。

決して!(笑)

こちらでは、焼酎の製造過程で発生する副産物を、何段階にもわたって資源として活用する取り組みが紹介されていました。

繰り返し処理し、利用できるものを取り出し、さらに活用する。

そして最後に残ったものが、なんと土壌改良材になる。

それを農地に戻し、また作物を育てる。

捨てるものなし!

何度も資源として活用した末に、最後は次の作物を育てる土づくりに役立つ。

いやぁ、実に気持ちがいい。

こういう技術、こういう考え方、大好きです。

お菓子メーカーが、お菓子以外で勝負する!

森永製菓株式会社の展示も印象に残りました。

紹介されていたのは「ミテツグ」。

工場などの現場で培ったノウハウを、映像などを活用して伝え、継承していく仕組みです。

いくら立派なマニュアルを作っても、現場で活用されなければ意味がありません。

朝礼で注意事項を伝えても、聞いている人が別のことを考えていたら?

大切な情報が、必要な場面で思い出されなかったら?

そんな現場の課題を知っているからこそ、生まれた仕組みなのでしょう。

実際に記録された動画も見せていただきました。

なるほどねぇ。

でも、私が特に感心したのは、その先です。

お菓子メーカーが、自社で培った経験とノウハウを生かし、新しい事業に挑戦している。

新たな部署を作り、社員が主体となって、他社や他業種にも使ってもらう。

これからの時代、お菓子だけを作っていれば安泰とは限らない。

そんな危機意識から新しい価値を生み出そうとする姿勢が素晴らしい。

実は私も、会長に就任するタイミングで、会社の定款を見直しました。

IT分野に限定せず、他業種にも事業を展開できるようにするためです。

昨日YouTubeで見たノリタケの話も思い出しました。

陶器のメーカーとして知られるノリタケが、長年培ってきたセラミックス技術を電子材料などの分野に生かしている。

今ある技術や経験を、今までとは違う市場で生かす。

これからの企業にとって、とても重要なことだと思います。

真っ向勝負の質問に、フレキシブルな回答!

テック大洋工業の展示では、

「既存設備が音声案内に変わる」

という言葉に引かれました。

薄くて柔軟性のあるフレキシブルスピーカーです。

そこで質問。

「これ、ちゃんと聞こえるの?」

「ボリュームを上げれば……」

そりゃそうだ!(笑)

では、工場のように騒音や雑音の大きな場所ではどうなのか。

すると、なるほどと思う話になりました。

全員に聞こえる必要はない。聞こえなければならない人に聞こえればいい。

そのために設置場所も考える。

既存設備に取り付けられる柔軟性を生かし、必要な人に必要な情報を届ける。

なるほど!

こちらは音量や騒音の問題を真正面から考えていたのですが、使い方や設置方法を工夫するという発想がある。

まさに、真っ向勝負の質問にフレキシブルな回答!

魚じゃありませんが、目から鱗です。

AIにできないことは、我々に任せろ!

そして、今日特に気に入った言葉。

日本機械学会の、

「AIに解決できないことを日本機械学会にご相談ください。」

かっけー!

思わず突っ込みたくなる言葉ですが、考えてみれば実にもっともな話。

生成AIは便利です。私も毎日のように活用しています。

しかし、企業の現場で蓄積されてきた経験や技術情報、公開されていない専門知識まで、何でも把握しているわけではありません。

人間の専門家だからこそ対応できる課題もある。

AIを活用する時代だからこそ、人間の技術者の価値も忘れてはいけない。

機械工学を学んだ爺さんとしては、なかなか胸に響く言葉でした。

さらに、東工大発の技術ベンチャー、wavelogyのキャッチコピーも印象的でした。

「すべての音に『価値』を!」

心地よい音も、不快な音も、機械の正常な音も、異常な音も。

解析すれば、そこには何らかの情報がある。

音を単なる音として終わらせず、さまざまな用途に役立てようという発想です。

これまた面白い。

視野は広がった。ところが……

そんなこんなで、実に多くの技術や考え方に触れた一日でした。

人気があって混雑しているブースは遠慮なくスルーしましたが、それでも十分すぎるほどの収穫です。

新しい人と出会い、以前知り合った人と再会し、名刺交換もできました。

知らなかった技術を知り、思いもよらない発想に感心し、企業の新たな挑戦から刺激を受ける。

いやぁ、今日も視野が広がったなぁ。

そんな満足感とともに帰宅しました。

そして、ポケットに入れていた眼鏡を取り出し、掛けてみたところ……

ん?

どうも視点が定まらない。

なんだ、これは?

眼鏡を外して確認すると、

片方のレンズがない!

ええええっ!

どこで落としたのやら。

買ったときから、なぜか相性の悪かった眼鏡です。

思わずゴミ箱へポイ!

実はこの眼鏡、ディズニーとのコラボモデル。

私が気に入っていた映画『ベイマックス』のバージョンだったのです。

ものづくり大好き爺さんにとって、ベイマックスは特別な存在。

そのベイマックスとの、あまりにも短い付き合いが終わりました。

思えば今日の展示会は、人間とロボットが共に暮らす未来の話から始まりました。

そして最後は、ロボットのベイマックスとの別れ。

なんという一日でしょう。

目から鱗が落ちたと思ったら、眼鏡のレンズまで落ちていた。

おかげさまで、視野は大いに広がりました。

ただし、視界は少々おかしなことになりましたがね。

さよなら……ベイマックス!

短い付き合いだったけれど、ありがとう。

今日の教訓。

世の中を見る目は、いくつになっても広げられる。

ただし、眼鏡のレンズが落ちていないか、ときどき確認しましょう。

68歳、ものづくり大好き爺さんの展示会巡り。

まだまだ続きます。

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創業50期目、横浜のIT企業ハル・エンジニアリング株式会社、代表取締役会長の平田達彦です。2026年年1月21日付けで、同業IT企業システム二コル株式会社の社外取締役に就任いたしました。ブログにて色々な情報を発信させて頂きます。「自由人として愉しむ」を基本に生きています。多くの人たちと絡んでいきたいと考えていますのでどうぞよろしくお願いいたします。愉しい人と人のネットワークの構築と愉しいものづくりを目指します。 ※ちなみに私のお渡しする名刺の裏側には怪しい鳥が羽ばたくイラストが描いてあります。それは会長ならぬ怪鳥を表しています。日々怪しく飛び回る鳥の如くなのです。(笑)

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