「流れは止まらない。年度末というだけのことだ」

7時20分。
さあこれからお仕事に。
その前に、軽く朝食を。
一発目のメールチェックは、朝4時台に自宅で済ませている。
だからこの時間は、オフィスでの再チェックから始まるのがいつもの流れだ。
コーヒーとお茶を並べ、パンを手に取る。
そして一口。
その瞬間、違和感に気付いた。
あれ?おかしい。
視線をハブに向けると、ランプが点いていない。
「おーい、ネットが繋がらないぞ!」
この時間にオフィスにいるのはY田だけ。
すぐに駆け付けてくれた。
あれこれ確認して、原因判明。
リニューアル作業中の輩が、有線を未接続のままにしていた。
「おいおい、それならそうと知らせろよ…」
思わずブツブツ。
とはいえ、止まっているわけにはいかない。
有線がダメなら無線LAN。
無線LANがダメならポケットWi-Fi。
繋がる手段はいくらでもある。
だが、改めて思う。
ネットが繋がらないと、仕事は始まらない。
さて、ここからが本題だ。
年度末。
この時期になると、世の中は少し慌ただしくなる。
稼ぎ時。
忙しい過渡期。
新しい話を聞いている場合じゃない。
さらには、予算も使い切るという話も出てくる。
なるほど、そういう時期なのだろう。
だが、私からすると少し不思議だ。
私は常にやりたいことがある。
今まさに、紹介してもらって動きたい案件もある。
だが、どうも動きが鈍い。
あくまでも私の勘だが、
「新しい話は新年度で」
そんな空気が漂っている気がしてならない。

ふと思う。
日本のものづくりって、昔はそうだったんじゃないのか。
そういえば、思い出す。
昭和の蒲田の町工場群。
日々その中を通り抜けて、精密機器のソフトウェア開発をしに行っていた。
油の匂い。
機械の音。
人の気配。
どこに何があって、誰が何を作っているのか。
なんとなく分かる、あの空気。
話せば繋がる。
繋がれば動く。
そんな流れが、確かにあった気がする。
昨日も、ある話を聞いた。
製造の仕事が、圧倒的に減っているという。
C国に取られてしまい、別の国へ営業をかけているらしい。
「うちの売り?そりゃあ品質だよ。
それと、作った後のメンテもしっかりやる。
初期投資は高いけど、長い目で見たら絶対にお得。
損はさせないよ。」
そういう話だった。
だが現実は、品質以前に価格で負けてしまう。
これはもう、どうしようもない事実だ。
だが、ここで思う。
価格だけで勝負し続けるのか。
いや、違うだろう。
自分たちで創意工夫して、違う土俵を用意して戦うしかない。
私は思う。
日本のものづくりは凄い。
この技術を失うことは、世界にとっての損失だ。
決して大袈裟な話ではない。
だからこそ、思う。
おーい。
3500社もあるんだろう?
ひとつくらい、
「それならあそこだよ」と繋いでくれる話があってもいい。
そう思っている。
本当に、作ってほしいものがある。
ただ、それだけのことだ。
区切りたくなるのは人の都合。
だが流れは、止まらない。
年度末というだけのことだ。
