「背景ではなく、灯だった。」 ― えんとつの町で見つけたデザインの答え ―

前作の世界観が素晴らしいと感じていた。

だから今回も、迷わず映画館に足を運んだ。
「えんとつ町のプペル」である。

館内に入ると、客はまばらだった。

「あれ?こんなものか」

少しだけそう思った。
期待度が低いのかもしれない、と。

だが、そのおかげで――
静かに、ゆっくりと、この作品に向き合うことができた。

まさか、自分が今進めているプロジェクトに
強い刺激を与えてくれるシーンに出会うとは、夢にも思っていなかった。

その瞬間から、
私は物語を追っていなかった。

気がつけば、
「どう描いているのか」
そちらに意識が向いていた。

どう描けば、人の心に届く世界観が生まれるのか。

そこに、意識が向いてしまった。

こんな表現は、これまで思い描けていなかったからだ。

――いや、待てよ。

私は今回のプロジェクトで、
デザインを担当するわけではない。

だが、この気づきは無駄ではない。

むしろ、デザイナーに伝える“核”になる。

自分が求めていた新たな世界観が、
そこに確かに存在していたからだ。

そして、その答えは意外なほどシンプルだった。

背景ではない。
灯だ。

これまで私は、状態を背景色で表現しようと考えていた。

Aモードなら青。
Bモードなら赤。

それは決して間違いではない。
むしろ、非常に分かりやすい方法だ。

だが、映画の中で見た光は違った。

丸い、小さな灯。
その一つ一つが、色を持っていた。

その瞬間、気づいた。

「背景を変える必要はない」

灯そのものが意味を持てばいいのだ。

世界を変えるのではなく、
そこにある灯の意味を変える。

その方が、ずっとやさしい。

そして、ずっと自然だ。

今回の映画は、
単なる鑑賞では終わらなかった。

えんとつ町のプペル。

私が進めているプロジェクトにおいて、
核となるデザインの部分を、
もう一段引き上げるための出会いだったのかもしれない。

気がつけば、アートブックを手にしていた。

理屈ではない。
これは“持ち帰らなければならないもの”だと感じた。

きっとこの映画は、
今の自分に必要だったのだろう。

そういう出会いが、時々ある。

灯は、強くなくていい。

小さな灯が、世界を変える。

kimamana-jiyujin-1957

創業49期目、横浜のIT企業ハル・エンジニアリング株式会社、代表取締役会長の平田達彦です。2025年3月末まで社長、4月より会長となりました。ブログにて色々な情報を発信させて頂きます。「自由人として愉しむ」を基本に生きています。多くの人たちと絡んでいきたいと考えていますのでどうぞよろしくお願いいたします。愉しい人と人のネットワークの構築と愉しいものづくりを目指します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です