AI博覧会、技術ではなく役割を見た一日

AI博覧会に行ってきた。
朝の静けさの中で頭をゆっくり起こし、そのまま会場へ向かう。
会場に入ると、そこには“今”の空気があった。
人、人、人。
AIという言葉が、もはや一部の人のものではなく、
完全に社会に入り込んでいることを実感する光景だった。
今回の私は、あえて王道を外した。
生成AIでモノを作る話は、もうある程度自分の中で回っている。
だから今日は、“変わり種”。
しかし、決して無関係ではない領域を見て回ることにした。
まず最初に立ち寄ったのが「教育」。

生成AIをどう使わせるか。
ある会社では「入社3年間は使用禁止」という話もある。
理由はシンプルだ。
AIにコードを書かせ、自分は理解しないまま進んでしまう。
なるほど、それも一理ある。
しかし、今日話を聞いたブースの内容は、
我々の業界の教育とは少しズレていた。
そこで改めて思う。
AIを使うか、使わないかではない。
どう使わせるかだ。
次に見たのは、AI面接。

企業が用意したひな型に沿って進むが、
AIが相手の回答に応じて深掘りをしていく。
ここが面白い。
筋書きはある。
しかし、その先は“生きている”。
この“筋書きにない部分”こそ、
むしろ人間の面接官にとっての教材になるのではないか。
面接をするのではなく、
面接を“学ぶ”時代が来るかもしれない。
そして契約書チェックAI。

これは分かりやすい。
普段は人間が読む。
しかしボリュームが増えれば、見落としのリスクが出る。
そこでAI。
頻繁に使うものではない。
だが、ここぞという場面で効く。
これは“代替”ではなく、
セーフティネットだ。
さらに弁理士法人。

特許や商標の世界は、甘くない。
私自身、AIで書類を作ったが信用できず、
INPIT神奈川に駆け込み、実例を見ながら指導を受けた。
その結果、無事出願。
説明員は「AI7:人3」と言っていたが、
私の感覚では「5:5」だ。
いや、もしかするとそれ以上に人が絡む。
実際に聞いてみると、答えはこうだった。
「ずっと人が関与します」
なるほど。
これが現実だ。
さらに弁護士AI。

契約書レビューを中心とした領域。
ここでも同じ構造が見えた。
AIが前段を担い、
最終判断は人間。
専門家は消えない。
ただ、その“入口”がAIになる。
今回回ったブースを振り返ると、
すべてに共通していることがある。
それは、
AIは人を置き換えない。
人の判断の前に入る。
教育、採用、契約、知財、法務。
どれも人が最終判断を行う世界だ。
AIはそこに入り込み、
整理し、広げ、支える。
しかし決めるのは、あくまで人間。
私は今回、改めて確信した。
AIは強力な参謀である。
しかし、最終決定者ではない。
そしてもう一つ。
AIは人を楽にはしない。
むしろ“見る目”を試してくる。
今回の展示会は、
技術を見に行ったのではない。
人とAIの役割分担を見に行った。
そんな一日だった。
明日はIT Week。
今日広げたものを、
明日は現実の中でどう使われているかを見る。
さて、どんなものが見えてくるか。
愉しみである。
