日々の献立を考える人たちは、本当に凄い。
独身時代の私は、結構自炊をしていました。
決して料理が得意だったわけではありません。お金もあまりなかったので、自分で作るしかなかったのです。
でも、今思い返してみると、献立で悩んだ記憶がほとんどありません。
なぜなら、私は一年365日カレーでも全く平気な人間だからです。(笑)
今日はカレー。明日もカレー。明後日もカレー。それでも何の問題もありません。
ところが、結婚して子どもが生まれると世界は一変しました。
同じ家庭で育っているはずなのに、息子と娘では食べ物の好みが違う。当然、私と妻も生まれ育った環境が違いますから、それぞれ好みがあります。
そんな四人家族の好みを考えながら、「今日は何を作ろう」と毎日献立を考え、料理を作り続ける。
改めて考えると、これは本当に凄いことだと思います。
私は普段、ものづくりに携わっています。
新しいアイデアを考え、形にし、人に喜んでもらえるものを創り出す。
その視点で見れば、毎日の献立を考えることも同じです。
限られた食材や予算の中で、栄養のバランスを考え、家族それぞれの好みにも配慮しながら、一つの料理を創り上げる。
これは単なる家事ではありません。
世界は違えど、その姿はまさに職人であり、料理人であり、クリエイターだと思うのです。
最近は妻が体調を崩すこともあり、その料理人、職人、クリエイターの役割が私に回ってくることが意外と多くなりました。
よほどアイデアが浮かばないときは、お惣菜を買ってきて何とか切り抜けます。(笑)
とはいえ、そこはものづくりが大好きな人間です。
「今日は何を作ろうか?」
ネットでレシピを眺めながら、頭の中では試作会議が始まります。
暑いこの時期ならゴーヤチャンプルー。
故郷・宮崎の冷や汁もいい。
そして脳みその中では、いつしか私は一流シェフになっています。(笑)
ところが困ったことに、レシピを見ても、その通りには作ろうとしません。
「ここをこうしたらもっと美味しいんじゃないか?」
「この調味料を少し足したらどうなるだろう?」
そんなことを考え始めると、レシピは参考資料になってしまうのです。

もちろん結果はというと……
八割くらいは敗北色が濃厚です。
料理の残り具合が、その結果を雄弁に物語っています。(笑)
一昨日、娘が「ソース焼きそばは好き」と言っていたので、昨日は「よし、任せろ!」とソース焼きそばを作りました。
もちろん、普通には作りません。
結果は……
敗北。
くそっ!(笑)
ちなみに敗因は分かっています。
私はソース焼きそばはサラダ油よりラードを使った方が数段美味しいと自負しています。
ところがスーパーでラードの値段を見て、
「うっ、高いな……。」
ここで、ちょっとケチってしまいました。(笑)
やはり、料理の世界も、ものづくりの世界も同じです。
「ここは譲ってはいけない。」
そんな肝心な部分を妥協すると、ちゃんと結果に表れます。
そんな私に、料理の神様は今日も耳元で優しく囁きます。
「レシピ通りに作れば良いのです。」
はい、その通りです。
でも、それを守れないのが私なのです。
なぜか。
それは、ごくたまに、本当にまぐれなのですが、家族が「これ美味しい!」と狂喜乱舞してくれることがあるからです。
その瞬間を見ると、「次も何か新しいことをやってみよう」と思ってしまう。
これも、ものづくりが大好きな人間の性なのでしょう。
また私の料理人としての出番が回ってきたら、きっとネット上に転がっているレシピを参考にはしながらも、その通りには作らないと思います。
……そして、また料理の神様に叱られるのでしょう。(笑)
それでも、日々の献立を考え、家族の好みや栄養のバランスまで考えながら、毎日新しい料理を生み出している人たちには、改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
私から勝手に称号を贈るなら、
「一流家庭料理人」。
もちろん、どの分際で言っているんだ、と突っ込まれそうですが……。(^^)
