永遠の試作
この世の中には、ありとあらゆる製品や商品が存在します。
では、それらは本当に完成されたものなのでしょうか。
私は、そうは思いません。
もちろん、どこかで一区切りをつけて世の中に送り出さなければ商売にはなりません。そのことは百も承知です。
だから企業は、「今、この時点で最善」と判断したものを製品として世の中に送り出します。
しかし、開発に携わっている人なら、多くの人が同じことを感じているのではないでしょうか。
一つの製品を世に送り出した瞬間から、もう次の開発が始まっています。
製品化の段階で残した課題を解決するためかもしれません。
新しい技術が生まれたからかもしれません。
お客様から寄せられた要望に応えるためかもしれません。
理由は様々ですが、開発者の頭の中では、製品になった瞬間に「次」が始まっているのです。
私は、だから、自分が行っているものづくりを決して「製品づくり」とは言いません。
いや、言えないと言った方が本音でしょう。
私にとって、ものづくりとは、一つの区切りをつけながら進めていくものです。
しかし、その最中にも様々なアイデアが浮かんできます。
浮かんでは打ち消し、
浮かんでは温存し、
浮かんでは取り込む。
この繰り返しです。
昨日、一昨日と久しぶりにCADを立ち上げ、3Dプリンターで試作品を製作するための治具を設計しました。
出力しては図面を修正し、また出力する。
実際に形にして初めて見えてくる問題点を一つひとつ解決しながら、何度もその作業を繰り返しました。
そして新たな展開を迎えた時、捨てるつもりだった治具の試作品が、実は別の用途で使えることが分かりました。
まさに、
「捨てればゴミ、活かせば立派な試作品。」
でした。
一応、治具は完成しました。
しかし、本当に始まるのはここからです。
これから、その治具を使って新しい試作品づくりの世界へ突入します。
私のブログなので少しだけネタバレすると、最近ジブリパークで公開された「パノラマボックス」のような世界観や、市販されている「ペーパーシアター」のような世界観づくりに挑戦してみたいと思っています。
もちろん、同じものを作るわけではありません。
私が大好きな藤城清治先生の世界。
宮崎駿監督が描く世界。
そして、偉大なる建築家ガウディが創り上げた世界。
今、それらが私の頭の中でグチャグチャになっています。
どのような世界が生まれるのか。
それは私自身にも分かりません。
でも、一つだけ分かっていることがあります。
なぜ、私が「永遠の試作」という言葉を使うのか。
それは、目に見える形になった瞬間に、私の心がこう囁くからです。
「ここまで出来たのなら、次はこうやったらいいね……。」
誰かに言われるのではありません。
自分自身の心が、次の一歩を教えてくれるのです。
だから終わりではありません。
終わりではなく、次への始まりなのです。
私にとって、ものづくりとは完成を目指すものではありません。
永遠の試作。
これからも、その続きを愉しんでいこうと思います。

