ほぼ手遅れでAI参戦。それでも、ものづくりは愉しい。
このところ、AI関連の展示会へ足を運ぶ機会が増えました。
会場を歩けば、同業他社が生成AIを組み込んだ製品やサービスをすでに形にして、堂々と展示しています。
「へぇ、こんなものを作ったのか」
「なるほど。こういう使い方もあるのか」
などと感心しながら、私は散々それらを見てきました。
そして、ふと思うわけです。
ところで、うちは何を作っているんだ?
……。
遅い。
実に遅い。(笑)
世の中がこれだけAI、AIと騒ぎ、同業他社がすでに製品を作って展示会に出しているというのに、弊社はようやく自分たちで生成AIを組み込んだアプリの開発を始めました。
AI時代への参戦としては、ほぼ手遅れと言ってもいいでしょう。
でも、始めました。
そして今週、その一つ目のアプリが完成する予定です。
何をするアプリなのか?
それは、まだ内緒です。(笑)

ただ一つ言えるのは、ちゃんと生成AIを組み込み、企画したものを実際に動くところまで弊社の技術者が作り上げたということです。
開発を始めて間もない頃だったでしょうか。
ネットニュースを眺めていたら、某地方都市で、私たちが作ろうとしていたものと、かなり近い発想のアプリが開発され、リリースされるという記事を見つけました。
思わず、
「いるじゃん。同じことを考えている人が!」
と笑ってしまいました。
そして同時に、
「やっぱり出遅れているよなあ」
とも思いました。(笑)
ところが、実際に自分たちで作り込んでいくと、面白いことも見えてきます。
先に世の中へ出たものと、私たちが考えているもの。
同じような発想から始まっていても、考えている範囲や、その先に見ているものは必ずしも同じではない。
後から走り始めたからといって、まったく同じ道を走る必要はない。
そんなことにも気づきました。
今週いっぱいで試験作業も終了します。
出遅れたとはいえ、作ろうと思えば作れる。
まあ、
「さすが、その道のプロ技術者集団だ!」
などと自慢したら、同業他社から、
「いや、それくらい普通ですけど」
と笑われそうなので、そこは静かにしておきます。(笑)
でも、一つ作れることは分かった。
そうなると、この爺さんはすぐ次を考えます。
さあて、次はどうしようか?
……と思ったら。
実は第二弾の企画は、すでに出来上がっています。
来週には、その開発に着手する予定です。
さらに言えば、以前作ったアプリにも生成AIを盛り込んでみたら面白いんじゃないかと、すでに別のことまで企んでいます。
こうなってくると、私の行動は早い。
私の特技が何かと聞かれれば、たぶんアイデアを生み出すことです。
ただし、
「こんなのあったら面白いよね」
で終わらせるのは好きではありません。
思いついたら、技術者が見てアプリとして形にできるところまで企画に落とし込む。
必要なら画面イメージも作る。
必要な素材も作る。
そして企画書のようなものをA3一枚にまとめ、私の作業机の横にある机の上へ展開します。
これ見よがしに。(笑)
そして、少しでも作業に余裕がありそうな技術者を見つけると、今度はチャットで企画と素材一式を送り込みます。
そして渡した後の殺し文句。
「君が作ってくれたアプリだけど、展示会の出展品として使うからね」
頑張っていただきたい。(笑)
以前から私は、
月に一本くらいアプリを作ってやろうじゃないか!
などと勝手なことを考えていました。
もちろん技術者の皆さんには、お客様からいただいている本来の大切な仕事があります。
爺さんの道楽、いや、わがままに毎月付き合ってくれるかどうかは分かりません。
でも、
「企画を出してみろ」
と言われるのであれば?
月に一本くらいのネタなら、喜んで作って差し上げましょう。(笑)
さて、AIの時代です。
最近では、プログラムのコードそのものをAIに書かせる、という話も耳にします。
私は、それ自体を否定するつもりはありません。
自分でコードを書き、動かし、失敗し、原因を探し、直してきた技術者が、その経験を持ったうえでAIを道具として使う。
それは大いに結構だと思います。
ただ、新人の頃からいきなり、
「コードはAIに書かせればいい」
で済ませてしまうことには、私は少々疑問があります。
なぜ動くのか。
なぜ動かないのか。
どこがおかしいのか。
どう直せばいいのか。
自分の頭で考え、自分の手でものを作った経験があるからこそ、AIが作ったものを評価することもできる。
AIにコードを書かせることと、AIにものづくりを任せることは、同じではない。
私たちは、ものづくりの会社です。
AIが登場して、私にはむしろ、ものづくりが以前より面白くなったように感じています。
今までなら頭の中だけで終わっていたアイデアが、形になるまでの距離が猛烈に短くなった。
一つ作れば、
「だったら、こんなものも作れるんじゃないか?」
と次のアイデアが生まれる。
そしてまた作る。
失敗したら考える。
考えたら、また作る。
AI時代への参戦は、確かに遅かった。
ほぼ手遅れだったのかもしれません。
でも、そんなことを今さら嘆いても仕方がない。
今日、私は一つの可能性を感じました。
これなら、生成AIを組み込んだアプリを次々に作っていける。
今週は、開発した技術者だけではなく、本社にいる社員たちも巻き込んでレビューをする予定です。
作ったものをみんなで触る。
疑問を出す。
おかしなところを見つける。
また考える。
そして、次を作る。
一本目は、もうすぐ完成します。
そして来週には、二本目の開発が始まります。
AIの世界への参戦は、確かに遅かった。
散々、展示会で同業他社が先を走っている姿を見てから、ようやく走り始めた会社です。
出遅れた。
それは素直に認めましょう。
でも、走り始めてみたら、思っていた以上に面白い。
アイデアならある。
それを形にしてくれる技術者もいる。
一つ形になれば、また次のアイデアが生まれる。
だったら、あとは作り続ければいい。
出遅れたが、いずれ先頭を走ってみせましょう。
さあて、AIの時代。
ますます、ものづくりが愉しくなってきたと思いませんか?

